抱負(読むこと、書くこと)



 私が今年やりたいことといえば、まず「このブログを続けること」と、「最近復活しつつある読書習慣をそのままキープすること」だ。

 そしてそれらに関連して、「手書きの手帖、日記、ノートの類をきちんとつけること」。
 手帖やノートについては、今まで色んな手帖術、ノート術を参考にしては取り入れたりサボッたりまた再開したりと紆余曲折したすえ、最終的にバレットジャーナル的な何かに着地している(ノート類を複数に分けている時点でバレットジャーナル的ではなくなっているが)。
 それとは別の、いわゆる「日記」についてはあまり深く考えたことがなかったのだが、最近「朝時間.jp」の記事で見た日記法が定着しつつある。夜にとにかくその日のよかったことを5つだけ記録するというもので、何日か実践したところ結構いい感触があった。


 しかしいつも色んなことをバレットジャーナル的に書き散らしている薄いA5ノートの頁があっという間に食われていくので、たっぷりと別に書けるように買ったのが写真のMDノートというわけ。長年気になっていたけれど、購入はこれが初めて。まず形からというのもあり、厚すぎず薄すぎないきれいなノートということで真先に思い浮かんだ。想像以上に書き心地がよく、それだけで「ていねい」な気分になれる。

 日々の記録をきちんととろうと思ったのは、ただ「ていねい」な気分に浸りたいからだけではない。記憶というものの曖昧さを痛感したからだ。
 ブログを始めるにあたってなぜか10代のころ(大昔)にネット上でつけていた日記を感傷的な気分で眺めていたりしたのだが、読めば読むほど全く記憶にないことや完全に記憶を上書きしてしまっていることが大量に発見され、愕然とした。感傷どころではない。
 人間の記憶ってこんなに脆かったのか。無くすだけならまだよくて、事実と異なる上書きは本当にぞっとする。
 というわけで、単なる記録としての日記も案外重要なものだと思ったのでした。


 


 「このブログを続けること」に話を戻す。
 上記のように、私は10代のころ個人的なWEBサイトやブログで週に何度も呼吸するように書いていた。いま見ると、それは「他者」に読まれることを充分に考慮できていない、「チラシの裏にでも書いておけ」と云いたくなる内容ばかりだが、それでもやはり誰にも見られない前提でたった独りで書く日記とは何かが違った。稚拙ながらに紡ぎだしたことばで、私はほかの場面で話したり書いたりすることばとはまた別のキャラクターを、自我を形づくっていたように思う。
 大人になって、いつの間にか不特定の「他者」に向けたことばを書かなくなって、それは成長を止めてしまった。

 それは育たないままただ燻っていた。ただときどき自分だけに向けた重苦しいことばを書きとめたり、仕事関係の Twitter アカウントで中途半端な文章をあふれさせたりしていた。
 仕事関係であることはもちろん、そもそもそのアカウントの分野は余計なことばが煙たがられる界隈で、実際に私が洩らすことばの内容もその分野とはあまり関係がなかった。いっそ、きちんとことばを紡ぐためだけの独立した場所を作ろうと、新たに Twitter アカウントを開設した(その矢先にあちらの世界はイーロンに蹂躙されはじめてしまったが)。
 そうして次に開設したのが、このブログだ。

 ……と、なんだか大仰な所信表明ぽくなっていますが、要は「頭の中を整理したい」というよくあるアレなのです。脳内のこのもじゃもじゃをなんとかしたい。このまま歳をとればとるほどもじゃもじゃを解くのは難しくなりそうだから、こうして少しずつほぐしていく癖を早めにつけておきたい。

 「最近復活しつつある読書習慣をそのままキープすること」もそれに繋がっている。
 私はこの10年ほど、文章を書かなくなっていくのに比例して読書量も減り、さらにメンタルが傷つく事件を何度も経験するうち、いつしか年に数冊しか本を読まなくなっていた。
 それが先月から、堰を切ったように再び読むようになった。
 ここで詳細は語れないが、はっきりいってメンタルケアの影響が大きい。いつの間にかメンタルが荒んでぼろぼろになって、適切な処置もせず放っていたら、いつしか私の「読むこと、書くこと」は失われかけていた。たまに慰みに書く自分だけのしんどい文章や、SNSで歪に発してしまう断片だけでなんとかことばに縋りつき、意地で年2、3冊本を読むのが精いっぱいだった。

 それらがひょんなことから好転して、もっと読みたい、書きたい、と自然に思え、動けるようになった。同時に、もっと早く今のケアが受けられていたらと悔やまれもする。
 とはいえ失った年月は返ってこないし、たらればなんて幻想なので、今から読む。書く。




*特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」 今週のお題
*2023/01/01「きょうのはてなブログ」で紹介されました。
*2023/03/20「週刊はてなブログ」で紹介されました。